どのような患者さまも手術という話になった場合には、多かれ少なかれ不安を抱くのは当然の事だと思います。
その不安を少しでも和らげるために麻酔科医と手術室のスタッフおよび病棟スタッフは最善をつくしております。
疑問に思うことや不安に思うことがあれば遠慮なくお問合せください。
麻酔科という部門は、一般の皆様には通常身近に感じられるところではないかもしれませんが、麻酔科医は
患者さまの手術の間、常に心電図や血圧計などのモニターや手術の進行状況を観察し、その都度状況に
応じて麻酔薬の量を調整したり、また手術中に不測の事態が起きた時には、瞬時に適切な対応を行うことにより
安全に手術が行える様に手助けをして非常に重要な役目を担っています。
<↑挿管チューブ (下注1)>
当院では常勤の日本麻酔科学会認定 麻酔科専門医が三人体制で診療を行っています。24時間365日にわたって、 緊急手術にも対応できるようになります。
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<ラリンゲルマスク(下注2)> |
一般的に全身麻酔の場合は気道を確保するために挿管(*1)を行う病院も多いのですが、当院では挿管による合併症【反回神経麻痺、咽頭痛、嗄声(させい)、歯牙損傷など】を予防するために、可能な限り挿管を行わずラリンゲルマスク(*2)を使用して気道を確保しています。
これにより早い患者さま(特に整形外科)では、全身麻酔覚醒後(病室に帰った後)3時間後より飲水を開始できる方もいらっしゃいますし、食事を開始するまでの時間も大幅に短縮されました。
また、手術の種類(*3)によっては日帰り手術も可能です。その他、積極的に持続硬膜外麻酔(*4)を併用し、術後鎮痛にも力をいれています。
※1 気道を確保するために肺の入り口の気管にチューブをいれること。
※2 口の中でふくらませる特殊なマスク
※3 小児の鼡径ヘルニア(脱腸)など、詳しくは外科系の医師にご相談ください。
※4 脊髄の神経の近くに細いチューブを入れて持続的に鎮痛剤を投与する事により手術後の痛みを和らげること。
麻酔科医についてのさらに詳しい情報は『日本麻酔科学会』ホームページの「市民の皆様へ」のコーナーをご参照ください。
( 『日本麻酔科学会』
https://www.anesth.or.jp/
)