病院のご案内

クオリティ・インディケーターとは

 クオリティ・インディケーターとは、医療の質をあらわす指標(診察の内容、治療成績、治療の安全性から病院の経営まで幅広く現時点でスタンダードと考えられる基準に沿って数字で評価したもの)です。近年病院で行われる医療の質向上と安全に対する関心が高まり、様々な取り組みが行われています。
 各分野で着目する指標を設定し、取り組み前後や経年変化を定量的に数値で収集し、より改善につなげるために検証していくものです。
 病院全体の指標や診療領域別で指標を設定し、数値を把握していくことは情報の共有化、活用につながり、健全な病院運営上で必要となるものです。

クオリティ・インディケーター一覧


病院全体

職員の健診受診率

職員の健康状態を把握し、健康の維持増進に努めることは事業主(病院側)の責務です。 事業主は労働安全衛生法に則り、次の健康診断を実施しなければなりません。 ・ 雇い入れ時の健康診断 ・ 定期健康診断 ・ 特殊業務従事者の健康診断 ・ その他の健康診断 医療提供側職員の受診率は、利用される患者さんの安心安全につながります。

職員の非喫煙率

財団法人日本医療機能評価機構が行う病院機能評価V6.0 評価判定指針において、健康 増進と環境のなかで、患者ならびに職員の禁煙を積極的に推進しているという評価項目が あります。また、2006 年4 月1 日より禁煙治療に保険が適用されるようになり、医師と共 に実現する禁煙プログラムが重要視されています。当院も敷地内禁煙としており、喫煙し ていない医療従事者が禁煙指導することが当然であり、予防指標の一つとしております。

職員のインフルエンザワクチン予防接種率

感染対策において、医療を提供する側にある職員自らが媒介とならないよう定期的に 健康診断を受けることが患者さんの安全安心につながります。医療従事者は直接患者さん と接する機会が多いため、免疫力が低下している患者さんの感染予防に向けて、病院全体 の摂取率に留意する必要があります。

死亡退院患者率

どの病院でも、死亡退院患者数を把握できますが、病院単位での医療アウトカムを客観 的に把握するシステムは存在しません。医療施設の特徴(職員数、病書数、救命救急セン ターや集中治療室、緩和ケア病棟の有無、平均在院日数、地域の特性など)、入院患者のプ ロフィール(年齢、性別、疾患の種類と重症度など)が異なるため、この退院死亡患者率 から直接医療の質を比較することは適切ではありません。

入院患者に対するMSWサポート割合

入院された患者さんに対してのMSW という専門職がどのくらいの割合でサポートがで きているかを示す指標です。急性期病院は入院している患者さんに対して、転院相談や在 宅医療相談など支援を必要とする方は多くいらっしゃいます。実入院患者者数は増加傾向 のあるなかで、MSW のサポートが増えている傾向にあります。

病床利用率

当院の病床がどの程度、効果的に稼動しているかを示す指標です。100%に近いほど、空 き病床が無い状況で利用されていることになりますが、病院機能において、急性期医療を 展開している病院と療養型では数値の意味するところが異なります。

平均在院日数

病院全体で一人一人の患者さんが何日間入院しているかを示す指標です。急性期疾患を 取り扱う病院と慢性期疾患を取り扱う病院では当然違いが出ます。当然、疾患によって入 院日数に違いがありますが、同じ疾患でも医療の進歩により経年で短くなっています。病 床利用率と共に病院の機能示す指標となります。

退院後6週間以内の予定外入院患者数

患者の中には、退院後6 週間以内に予定外の再入院をすることがあります。その背景と しては、初回入院時の治療が不十分であったこと、回復が不完全な状態で患者に早期退院 を強いたこと、などの要因が考えられます。

紹介率/逆紹介率

紹介率とは、初診患者に対し他の医療機関から紹介されて来院した患者の割合です。一 方逆紹介率とは、初診患者に対し他の医療機関へ紹介した患者の割合です。高度な医療を 提供する医療機関にだけ患者が集中することを避け、症状が軽い場合は「かかりつけ医」 を受診し、そこで必要性があると判断された場合に高い機能を持つ病院を紹介受診する。 そして治療を終え症状が落ち着いたら、「かかりつけ医」へ紹介し、治療を継続または経過 を観察する。これを地域全体として行なうことで地域の医療機関を強化し、切れ間のない 医療の提供を行います。つまり、紹介率・逆紹介率の数値は地域の医療機関との連携の度 合いを示す指標です。

報告・記録

2週間以内の退院サマリー完成率

退院サマリーとは、患者の病歴や入院時の身体所見、検査所見、入院経過など、入院中 に受けた医療内容の要点を記録したものです。同様に、手術記録も外科診察の基本情報で す。一定期間内に退院サマリーや手術記録を作成することは、病院の医療の質を表してい ます。

入院患者のうちパス適用患者割合

クリニカルパスとは、医療チームが共同で開発したある疾患に対する患者の最良のマネ ジメントを定型化したものです。同一疾患にクリニカルパスを運用することによりスタン ダードな治療を行うことができます。また、治療・検査の見落としがなくなります。一方 で個人差もありクリニカルパスが適用できないこともあります。(バリアンス)これらにつ いても分析、パスの改良が必要になります。

患者満足

意見箱投書中に占める感謝の割合

ご意見箱は、各病棟と玄関受付前に設置しております。日・祝を除き、一日一回担当者 が回収いたします。いただいたご意見は、病院長、事務長、看護部長並びに担当部署責任 者が拝読し、回答を掲示させていただいています。また全職員にも周知しております。

患者満足度(外来患者)/(入院患者)

受けた治療の結果、入院期間、安全な治療に対する患者の満足度をみることは、医療の 質を測るうえで直接的な評価指標の重要な一つです。「この病院について総合的にどう思わ れますか?」の設問に対し、4 段階評価(満足、どちらともいえない、不満足、大変不満足) の「満足」を集計しました。

看護

入院患者の転倒・転落発生率/入院患者の転倒・転落による損傷発生率(レベル2以上)/(レベル4以上)

入院中の患者の転倒やベッドからの転落は少なくありません。原因としては入院とい う環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものまでさま ざまなものがあります。 転倒・転落の指標としては、転倒・転落によって患者に傷害が発生した損傷発生率と 患者への傷害に至らなかった転倒・転落事例の発生率との両者を指標とすることに意味 があります。転倒・転落による傷害発生事例の件数は少なくても、それより多く発生し ている傷害に至らなかった事例もあわせて報告して発生件数を追跡すると共に、それら の事例を分析することで、より転倒・転落発生要因を特定しやすくなります。こうした 事例分析から導かれた予防策を実施して転倒・転落発生リスクを低減していく取り組み が、転倒による傷害予防につながります。 転倒・転落の事故レベルは、患者影響レベルとして独立行政法人国立病院機構におけ る医療安全管理のための指針に準じています。

褥瘡発生率

褥瘡は看護ケアの質評価の重要な指標の一つとなっています。褥瘡は患者のQOL の低下 をきたすと共に、感染を引き起こすなど治癒が長期に及ぶことによって、結果的に在院日 数の長期化や医療費の増大にもつながります。そのため褥瘡予防対策は、提供する医療の 重要な項目の一つにとらえられ、1998 年からは診療報酬にも反映されています。

薬剤

入院患者のうち服薬指導を受けた者の割合

服薬指導を行うことで患者は薬物治療の理解を深め、薬を服用することへの不安を軽減 し、服薬コンプライアンスを高めます。また医療の質を示す間接的指標として有用と考え られます。

手術・処置

特定術式における手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

手術後に手術部位感染(SSI)が発生すると、入院期間が延長し入院医療費が有意に増大 します。SSI を予防する対策の一つとして手術前後の抗菌薬投与があり、手術開始から終了 後2〜3 時間まで血中および組織中の抗菌薬濃度を適切に保つことでSSI を予防できる可能 性が高くなります。このため手術執刀開始の1 時間以内に適切な抗菌薬を静注することで SSI を予防し、入院期間の延長や医療費の増大を抑えることができると考えられています。

特定術式における術後24時間(心臓手術は48時間)以内の予防的抗菌薬投与停止率

術後、不必要に予防的抗菌薬を長期間投与することで、抗菌薬による副作用の出現や 耐性菌の発生、医療費の増大につながります。一般的には、非心臓手術では24 時間以内ま でに抗菌薬を中止することが推奨されています。

24時間以内の再手術率

手術終了後、24 時間以内に再度手術を実施した率のことです。再手術は術式によって様々 な原因があります。手術の質的向上・患者安全の観点から国や各種団体で「入院中の緊急 再手術率」が臨床指標として検討されはじめています。最初の手術内容を検討していくう えで、2 回目以降の手術が予定されたものであったのか、緊急性を要したものなのか検証し ていくことが、質の向上につながります。

術後の肺塞栓発生率

急性肺血栓塞栓症の死亡率は14%、心原性ショックを呈した症例では30%(うち血栓溶 解療法を施行された症例では20%、施行されなかった症例では50%)、心原性ショックを 呈さなかった症例では6%です。下枝あるいは骨盤内静脈の血栓が原因とされており、整形 外科、消化器外科、産婦人科手術などの術後に安静臥床が長くなった患者では注意しなけ ればならない術後合併症の一つです。

生活習慣

糖尿病患者の血糖コントロールHbA1c(NGSP)<7.0%

糖尿病の治療には運動療法、食事療法、薬物療法があります。運動療法や食事療法の実 施を正確に把握するのは難しいため、薬物療法を受けている患者のうち適切に血糖コント ロールがなされているかをみることとしました。HbA1cは、過去2〜3ヶ月間の血糖値のコ ントロール状態を示す指標です。各種大規模スタディの結果から糖尿病合併症、特に細血 管合併症の頻度はHbA1cに比例しており、合併症を予防するためには、HbA1cを7.0%以下 に維持することが推奨されています。したがって、HbA1cが7.0%以下にコントロールされ ている患者の割合を調べることは、糖尿病診療の質を判断する指標の一つであると考えら れます。

呼吸器系疾患

肺炎患者の死亡率

肺炎は、肺結核、院内肺炎、日和見肺炎、閉塞性肺炎、大量誤嚥による肺炎、慢性下気 道感染症の急性増悪などを充分に鑑別する必要があります。肺炎はわが国の死亡統計でも 死因の第4位であり、初期治療の選択が重要です。原因となる病原微生物、治療を受ける 場所、治療に関わる医師、抗菌薬がさまざまであること、いろいろな治療が行われること から、退院時の転帰をみることで肺炎治療の病院成績をみることができます。

喘息入院患者のうち吸入ステロイドを入院中に処方された割合

入院を要する喘息患者の治療はステロイド投与が基本となります。吸入が不可能な患者 には経静脈投与を行う。

入院中にステロイドの経口・静注処方された小児喘息患者の割合

入院を要する喘息患者は原則ステロイド治療が必要である。この割合が高いほどスタン ダードな治療がされていることを示します。

脳・神経系疾患

急性期開頭手術施行患者の死亡退院率

急性期脳疾患の患者が、救命を目的として緊急開頭術を受ける場合があります。緊急開 頭術の原因となった疾患の病期や重症度によって予後に大きな差が現れます。急性期開頭 術を受けた患者の死亡退院率を知ることにより、緊急手術の決定が正しかったか、手術方 法に問題がなかったかなど、診療の質を評価・比較することができます。

脳卒中患者のうち第2病日までに抗血栓治療を受けた患者の割合

心原性脳梗塞でない虚血性脳血管障害、または一過性脳虚血発作(TIA)患者では、脳血 管障害の再発および他の心血管傷害発生のリスクを軽減するために、抗血小板薬投与が推 奨されています。再発予防の観点から、脳梗塞発症早期から抗血小板治療を行う有用性が 明らかになっており、適応のある患者には退院時に抗血小板薬投与が開始されていること が望まれます。

脳卒中患者の退院時、抗血小板薬を処方した割合

心原性脳梗塞でない虚血性脳血管障害、または一過性脳虚血発作(TIA)患者では、脳血 管障害の再発および他の心血管傷害発生のリスクを軽減するために、抗血小板薬投与が推 奨されています。再発予防の観点から、脳梗塞発症早期から抗血小板治療を行う有用性が 明らかになっており、適応のある患者には退院時に抗血小板薬投与が開始されていること が望まれます。

心房細動を診断された脳卒中患者への退院時の抗凝固薬の処方率

心房細動による脳梗塞の再発予防には抗凝固薬の処方が最も効果があります。この抗凝 固薬の処方率が高いほど適切な治療ができていることを示します。

脳梗塞における入院後早期リハビり実施症例の割合

脳梗塞における入院時早期リハビリは、特に重症な患者を除き早期に実施することが予 後の改善につながります。この割合が高いことはリハビリが適切に行われていることを示 します。

循環器系疾患

PCI後24時間以内の院内死亡率

虚血性心疾患に対する治療は薬物療法、カテーテルによる経皮的冠動脈形成術(PCI) 冠動脈バイパス術があります。PCI の成功率は、その施設の医療の質を評価する上で重要 な指標と考えらます。

急性心筋梗塞患者における入院後早期アスピリン投与割合

急性心筋梗塞患者における退院時アスピリン投与割合

急性心筋梗塞患者における退院時βブロッカー投与割合

急性心筋梗塞患者における退院時スタチン投与割合

急性心筋梗塞患者における退院時のACE阻害薬もしくはアンギオテンシン?受容体阻害薬の投与割合

急性心筋梗塞患者におけるACE阻害薬もしくはアンギオテンシン?受容体阻害薬の投与割合

急性心筋梗塞は通常発症後2〜3ヶ月以内に安定化し、大多数の患者は安定狭心症または 安定した無症候性冠動脈疾患の経過を辿ります。心筋梗塞発症後の長期予後を改善する目 的で、抗血小板薬、β遮断薬、ACE阻害薬あるいはアンジオテンシン?受容体拮抗薬(ARB) スタチンなどの投与が推奨されています。(日本循環器学会ガイドライン)

消化器系疾患

胆嚢摘出術中の腹腔鏡下手術の割合

胆嚢摘出術には、主に開腹による胆嚢摘出術と腹腔鏡下胆嚢摘出術の2種類があります。 腹腔鏡下胆嚢摘出術は開腹胆嚢摘出術と比較して、死亡率、合併症、手術時間について差 がありませんが、入院期間と術後の開腹期間が短くなります。このため合併症を伴わない 胆嚢結石・胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術の割合が高い方が、医療の質が高いといえ ます。

整形外科系疾患

人工膝関節全置換術患者の早期リハビりテーション開始率

リハビリテーションはリスク管理上ハイリスクな患者を除き、発症または術後早期に介 入することが重要です。早期回復を図ること以外に廃用症候群や深部静脈血栓症の発生頻 度を低下させるなど合併症予防につながります。

救急

救急車・ホットラインの応需率

救急医療の機能を測る指標として「救急車・ホットラインの応需率」を採用しています。 救急患者はできるだけ速やかに救急体制の整った医療機関に収容し、治療を開始すること が望まれます。